篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。




考え事をしてただけなんだけど……体調悪そうに見えた?


いつもよりテンションの低い私を心配した綾羽が先生に声を掛けてくれて、教室で休んでいられることになった。


ラッキーだなあ……心の中で呟いてみるものの、全然気分は上向いてくれない。

教室から見えるグラウンドを窓の枠に寄りかかってぼんやりと眺める。


豆粒ほどのサイズの人の中から、無意識に篠宮くんの姿を探す自分に苦笑い。



「はー、あっちー……あ、倉科じゃん」


「佐野くん」


手で仰ぎながら教室に入ってきたのは、学校指定のジャージを着た佐野くん。

外が暑いから涼みに来たのか。


そういえば、ついさっきまで借り物競争出てたな。

首筋に伝う汗が頑張りの証。


スポーツをした後の汗って、色っぽく感じてドキッとさせられるんだよね。


あと、緑の芋っぽいジャージを着ているのに、長身でモデル体型の人が着たら不思議とぜんぜんダサくみえない。

羨ましい限りです!


「すごい汗だね、おつかれさま」

「サンキュ」


「佐野くん、てっきりサボるかと思ってた」


正直に思ったことを伝えると、佐野くんはタオルで汗を拭きながら軽く笑った。


「まぁ、よくサボってるからそう思われても仕方ねぇかもな。
授業とか勉強はキライだけど、こーいう行事は割と好きだよ。難しいこと考えないで、みんなと楽しくやれるから」


「分かる、私も好き!」