なんてかっこいいの?この世のものとは思えない位目鼻立ちが整っている、ずっと見ていられると思った。

「あのう、スマホいいかな」

「あっ、そうでした、スマホ、スマホ」

私はバッグをガサガサと引っ掻き回した。

「ポケットに入ってるのがそうだと思うけど」

「えっ?ポケット?」

私はポケットに手を突っ込んだ。
あった、スマホ。

「すみません、ありました」

私はそう言って彼にスマホを手渡した。

「ありがとう」

彼は笑いを堪えている様だったが、耐えきれず大声で笑った。

「ごめん」

「いえ」

「すっごく可愛い」

何この人?からかってるの?

「それ、失礼だと思います」

「褒めたんだけど、それ失礼なの?」

「もういいです、失礼します」

私は店のドアを押して外に出た。

「待って」

彼は私の後を追って来た。
裏路地に入り込み、そして腕を掴まれ引き寄せられた。

「何なんですか?」