虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 自身と同じくらいの少年に向かって、アルトリシアはおそるおそる声をかけてみた。

「あ、あのう」

 その瞬間、「きゃうん」と小さな声がした。

 少年の姿が花壇に吸い込まれるようにして溶ける。それは覚えのある光景だった。

「あっ……」

 ややあって、愛くるしい子犬が花壇から飛び出した。

「きゃん!」

 カスタードクリームのような色をした子犬が、甲高い声を上げてアルトリシアに飛び掛かる。

 勢いにひっくり返った彼女の腕に、もふりと柔らかく温かい感触が押し付けられた。

「きゅうう……」