サフィから背中を押されてもためらいが残る。だが、そこでモーゼル伯爵が自分のいる方へ歩き出したせいで、考えている時間がなくなった。
(ちょっとだけ……。ごめんなさい)
逃げるようにして城の庭園に足を踏み入れ、彼の視界に入るまいと駆け出す。
庭園は信じられない広さをしていた。背の高いゼノハルトでさえ覆ってしまうほどの垣根に、色とりどりの花が咲いている。かと思えばアルトリシアの膝までしか及ばない小さな花を植えた花壇も並んでおり、どこに目を向けても飽きない。
逃げるという一点のみで飛び込んだアルトリシアは、そんな見事な庭園に目を奪われ、いくらもしないうちに迷子になった。
(ちょっとだけ……。ごめんなさい)
逃げるようにして城の庭園に足を踏み入れ、彼の視界に入るまいと駆け出す。
庭園は信じられない広さをしていた。背の高いゼノハルトでさえ覆ってしまうほどの垣根に、色とりどりの花が咲いている。かと思えばアルトリシアの膝までしか及ばない小さな花を植えた花壇も並んでおり、どこに目を向けても飽きない。
逃げるという一点のみで飛び込んだアルトリシアは、そんな見事な庭園に目を奪われ、いくらもしないうちに迷子になった。

