これまでは気をつけていたのに、とうとう穴に足を滑らせてしまった。
こぼれ出た悲鳴が響き、獣が歓喜したように再び吠える。
宙に投げ出された身体は重力に従って落ち、硬い壁にぶつかり、擦れながら転がった。
「う……」
ようやく地面に辿り着くも、無数の傷による痛みのせいでもう起き上がれない。アルトリシアは地面に伏したまま、なおも助けを求めるように弱々しく手を前に伸ばした。
土埃で汚れたその手にこつんと硬いものが触れる。端の欠けた蒼い石を見て、アルトリシアは無意識にそれを握り込んだ。そして、必死に祈る。
(助けて。助けて。助けて……!)
もし、魔石を扱えたなら。
こぼれ出た悲鳴が響き、獣が歓喜したように再び吠える。
宙に投げ出された身体は重力に従って落ち、硬い壁にぶつかり、擦れながら転がった。
「う……」
ようやく地面に辿り着くも、無数の傷による痛みのせいでもう起き上がれない。アルトリシアは地面に伏したまま、なおも助けを求めるように弱々しく手を前に伸ばした。
土埃で汚れたその手にこつんと硬いものが触れる。端の欠けた蒼い石を見て、アルトリシアは無意識にそれを握り込んだ。そして、必死に祈る。
(助けて。助けて。助けて……!)
もし、魔石を扱えたなら。

