虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 一番かわいそうなのは役所の人間だろう。とんでもない場所に居合わせたと歯を鳴らして震えている。

「覚えておくがいい、マイネス卿。私の娘に対して二度同じことを言えば、次は舌を斬り落としてくれる」

 帰るぞ、とゼノハルトは足音荒く部屋をあとにした。泣きじゃくるアルトリシアを、労わるように抱き上げて。



***



「いっぱい泣いちゃってごめんなさい……」

 彼女が泣き止んだのは、ゼノハルトによって王都の中心にある広場へ連れ出されてからだった。

「私がいるからには二度とあのような発言はさせない」

 人々が、まだ憤っているゼノハルトの殺気を無意識に避けていく。