虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 アルトリシアが震える手でゼノハルトの服の裾を握った。

 いないものとして扱ってくれればいいのに、それさえ許されないのだ。

「てっきり事故で死んだとばかり」

「神子エルツの加護があったのだろう」

 さりげなくゼノハルトがアルトリシアを自身の背に庇った。悪意のある視線から守るように、心ない言葉を聞かずに済むように、と。

「神子の加護? そんなものがその出来損ないにあるわけがないでしょう」

「そうよ! 明かりも灯せない役立たずなのに!」

 甲高い声で妹のメルニエラが笑う。引き継ぐようにマイネス子爵夫人も嘲笑した。