アルトリシアが聞いてもわかるほど嫌味のこもった言い方だが、ゼノハルトは気にせず同席した役所の男に目を向ける。
「始められるか?」
「はい、さっそく行います」
アルトリシアはずっと顔を上げずにうつむいていた。ゼノハルトの後ろに隠れるようにして、可能な限りかつての家族を避けている。だから役所の人間がどのように手続きをしたのか見ていなかった。
「アルトリシア・マイネスは本日をもってアルトリシア・エクレルとなる。……よろしいですか?」
「ああ」
「問題ありませんよ」
ゼノハルトと子爵の声が重なる。
「しかし、驚きました。まさかそれが生きていたとはね」
「始められるか?」
「はい、さっそく行います」
アルトリシアはずっと顔を上げずにうつむいていた。ゼノハルトの後ろに隠れるようにして、可能な限りかつての家族を避けている。だから役所の人間がどのように手続きをしたのか見ていなかった。
「アルトリシア・マイネスは本日をもってアルトリシア・エクレルとなる。……よろしいですか?」
「ああ」
「問題ありませんよ」
ゼノハルトと子爵の声が重なる。
「しかし、驚きました。まさかそれが生きていたとはね」

