虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「そんなまさか」

 彼を知る人ならばなにごとかと思っただろう。ほとんど笑わないゼノハルトが微笑んでいるのだから。

「さて、行くか」

 アルトリシアはこくりと頷いて、ゼノハルトの首に腕を回した。



***



 役所は神殿と違い、雑然としていた。

 奥の一室へと案内され、アルトリシアはゼノハルトの腕を降りて彼の手を握りながら向かった。

 彼女は神殿を出てから緊張したように唇を引き結んでいたが、部屋で待っていた人々を見てその顔が蒼白に変わる。

(お父さん)