(やだ、やだ……。誰か助けて……!)
両手両足をバラバラに動かしながら走るも、だんだんと獣の声だけでなく息遣いや足音も聞こえるようになり始めた。
暗いせいで定かではないが、一本道ではないことはアルトリシアも感じ取っている。魔獣は彼女を追ってきていた。
(どっち? どこに逃げたらいい?)
冷静に判断などできるはずもなく、彼女は知らずにより深くへと潜っていく。もう今来た道を戻れと言われたところで戻れないだろう。
今にも背後から魔獣の牙か爪が迫るかと思っていたそのとき、不意に小さな身体が不安定に傾いた。
「あっ!」
両手両足をバラバラに動かしながら走るも、だんだんと獣の声だけでなく息遣いや足音も聞こえるようになり始めた。
暗いせいで定かではないが、一本道ではないことはアルトリシアも感じ取っている。魔獣は彼女を追ってきていた。
(どっち? どこに逃げたらいい?)
冷静に判断などできるはずもなく、彼女は知らずにより深くへと潜っていく。もう今来た道を戻れと言われたところで戻れないだろう。
今にも背後から魔獣の牙か爪が迫るかと思っていたそのとき、不意に小さな身体が不安定に傾いた。
「あっ!」

