虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 質問したにもかかわらず、返答のないアルトリシアに疑問を抱いたのか、ゼノハルトが顔を覗き込む。

「旅費は気にしなくていい」

「あ……はい」

 黙ったのはそれを気にしていたからではないが、そう言われると気になってしまう。

 彼はアルトリシアのために金を使うのをためらわなかった。今回、転移装置を使って王都に向かうのも、馬車で三日という行程に彼女の小さな身体が耐えられないのではという心配と、早く養子にして安心させたいという思いによるものだ。

「王都ってどんな場所なんですか?」

 空気を変えるように再び尋ねると、彼は少し悩んだようだった。