虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 そう言ったのはこれで二度目だ。

 あのときとは違い、アルトリシアは自身のすべてを広い胸に委ねた。ゼノハルトもまた、この十日で何度もなでた頭を抱き締める。

「これからは私が持てるすべてを持って、お前を守ってやる」

 アルトリシアが涙を流しながら頷くと、頭の中で賑やかに声がした。

『俺サマがいりゃあ、それで充分だと思うがなァ』

『でもさ、俺らじゃ保護者にはなれないじゃん』

『そういうもんか?』

『そういうもんだよ、兄貴』

 今は指輪に姿を変えたふたりが話すのを聞きながら、虐げられてきた少女は新しい父親に初めて甘えたのだった。



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