そう言ったのはこれで二度目だ。
あのときとは違い、アルトリシアは自身のすべてを広い胸に委ねた。ゼノハルトもまた、この十日で何度もなでた頭を抱き締める。
「これからは私が持てるすべてを持って、お前を守ってやる」
アルトリシアが涙を流しながら頷くと、頭の中で賑やかに声がした。
『俺サマがいりゃあ、それで充分だと思うがなァ』
『でもさ、俺らじゃ保護者にはなれないじゃん』
『そういうもんか?』
『そういうもんだよ、兄貴』
今は指輪に姿を変えたふたりが話すのを聞きながら、虐げられてきた少女は新しい父親に初めて甘えたのだった。
***
あのときとは違い、アルトリシアは自身のすべてを広い胸に委ねた。ゼノハルトもまた、この十日で何度もなでた頭を抱き締める。
「これからは私が持てるすべてを持って、お前を守ってやる」
アルトリシアが涙を流しながら頷くと、頭の中で賑やかに声がした。
『俺サマがいりゃあ、それで充分だと思うがなァ』
『でもさ、俺らじゃ保護者にはなれないじゃん』
『そういうもんか?』
『そういうもんだよ、兄貴』
今は指輪に姿を変えたふたりが話すのを聞きながら、虐げられてきた少女は新しい父親に初めて甘えたのだった。
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