虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「私としては実家に戻さざるをえないが、そうなるとまたつらい思いをするだろう。それどころか、次は本当に殺されかねん」

 彼らしい率直な言い方はアルトリシアの背筋を凍らせた。

 次は、どころの話ではない。彼らはもう殺したつもりでいるのだから。

 自分の膝を指が白くなるほど掴んだ少女を見て、ゼノハルトはまた言い方を間違えただろうかと少し悩んだ。しかし、ふさわしい伝え方を探し出せずに自分の言い方で伝える。

「お前さえよければ、私の娘にならないか」

「え?」

 なにを言われたのか理解できずに顔を上げると、これまでほとんど直視できなかった暗い緑の瞳と目が合う。