「紅茶か。馳走になろう」
「私、淹れ方を教えてもらったんです!」
「そうか。ならば頼む」
床に下ろされたアルトリシアは、普段世話になっているお礼をと喜び勇んでささやかなお茶会の準備を始めた。
茶器を温めるところから始め、じっくりと茶葉を蒸らしてから注ぐ。豊かな香りが部屋に広がり、日頃から険しいゼノハルトの頬を少し緩めた。
「ええと、召し上がれ」
「ああ、頂こう」
彼が淹れたばかりの紅茶に口をつけるところを緊張しながら待つ。
(おいしくないって言われたらどうしよう)
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