虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 甘いものどころかまともな食事さえ与えられなかった少女を哀れんだ使用人たちは、その日からせっせと彼女に貢ぎ物ならぬ贈り物をするようになった。

 実家で作った果物の菓子や、砂糖を煮詰めた飴。香ばしい焼き菓子に、牛乳をたっぷり使ったクリームをこれでもかとのせたパンケーキ。

 連日のように未知の食べ物を与えられて緊張していたアルトリシアも、やがて彼らの好意を受け入れ、ぎこちない笑顔を見せるようになっていった。