食事だって初めてのものばかりで、最初は手をつけていいかわからなかった。焼きたての柔らかな白いパンなど、これまで硬くなった黒パンを投げつけられていたアルトリシアには初めてのものだった。しかも屋敷の庭で摘み取られた果物から作られたとびきり甘いジャムをたっぷり付けていいという。それだけでも衝撃的だったのに、ジャムは種類が豊富で、さらに蜂蜜まで用意されていた。
表面がこんがりと焼けたパンと、とろける黄金色の蜂蜜を見て、目の前の光景が信じられず泣いてしまったのは記憶に新しい。
表面がこんがりと焼けたパンと、とろける黄金色の蜂蜜を見て、目の前の光景が信じられず泣いてしまったのは記憶に新しい。

