虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 おいしいお菓子も、かわいいぬいぐるみも、彼その人に比べれば大した贈り物ではない。アルトリシアが欲しかったのは自分を愛してくれる存在だった。

「いい子にするから、いつまでもパパの娘でいさせてね……」

 すん、と鼻を鳴らして言ったアルトリシアの言葉を聞き、ゼノハルトは彼女に見えないところで軽く眉根を寄せた。

「いい子でなくとも、お前は私の娘だ」

 いたいけな少女が、こんなことを言うほど追い詰められている。どんな夢を見たのかアルトリシアは語らないが、ゼノハルトにはなんとなく予想がついていた。

 いつか、彼女の心の傷が癒えるといい。