虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ＆もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「話はあとで聞こう。子どもの慰め方はわからないのだが、これで合っているか？」

「っ……はい……」

　今まで、こんなふうに触れてくれた人はいなかった。サフィやルブとは違う温かさを感じ、アルトリシアはしばらくゼノハルトの腕の中で泣きじゃくった。



　まぶたが熱くなるほど泣いたあと、彼女はこれまでの経緯を喉を詰まらせながら説明した。

　その間、ゼノハルトは短く相槌を打ち、真摯な態度で聞いていた。子どもの戯言だと話を切り上げず、うまく話せなければ様子を窺いながら質問した。

　侮らずに丁寧に話を聞く姿に安心し、やがてアルトリシアもだんだんとうまく話せるようになっていった。