「少しだけならばいいかと思っていたが、お前が一緒にいたいと思っているならやめておこう。ともに過ごす時間が減るからな」

「でも私、パパのかっこいいところを見たい」

 ゼノハルトが意外そうに目を丸くする。

「だってみんなは聖騎士さんって呼ぶけど、知らないんだもの」

「ほかの騎士と大して変わらん」

 本当に彼がほかの騎士たちと変わらないのなら、まず国王から声などかからない。もしファイスが聞いていたら、自覚がないのも困りものだと頭を抱えていただろう。

「かっこいいとこ、見たい」

「そんなにか」

 ゼノハルトは、繰り返し言うアルトリシアに向かって苦笑した。