虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 厳密に言えばあったかもしれない。

 自分を虐げる家族のもとを逃げ出したい、生き延びたい。

 どんな力でもいいから、新しい家族の役に立つものを手に入れたい。

 しかし、ファイスの問いかけはこれまで彼女が抱いていた願いとは違う答えを求めているように感じる。

 悩む娘を見かねてゼノハルトが口を開いた。

「どういう選択肢を想定した質問だ」

「ひとつは以前も言ったように王立学園で学びを深める。もうひとつは神子として神殿で生活する。……これは個人的にあまり勧めたくない。総本山のコヌジオがどう動くか予想できないから」

 アルトリシアは指を折ってファイスの選択肢を数える。