虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 彼女は今まで小さな世界の中で生きてきた。マイネス家にいたときは、モーゼルのような思想も家族を奪われて泣き叫ぶ人も知らないままだった。つらく苦しいのは自分だけだとさえ思っていたのに、ここにはそれぞれの痛みを抱えた者たちがいる。そして、痛みを与えた者も。

(おうちの中でずっと幸せを味わっていられたらよかったのに)

 なんの恐れも心配もない生活を手に入れたからこそ、心から願う。その一方で、それが叶わないものだとも理解していた。否、理解できるようになった。

(私は本当に子どもだったんだなぁ)

 これまでの経験がアルトリシアを少しだけ成長させる。