虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 アルトリシアの隣でゼノハルトが目を細め、彼女の頭をそっとなでた。

「哀れな男だ。誰の血も流さずに国を率いる苦労を知らん」

 ただでさえ魔獣という脅威に脅かされている中、人間同士で争う必要があるのか。

 かつて何度も戦場を駆けた騎士の重い言葉だった。

「他者を踏みにじる国のどこに未来があるのか。私は今のままでいい」

「私も今のままがいいな。パパにはいつもおうちにいてほしいから」

 アルトリシアが大きな手に頬を押しつけて擦り寄る。