虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 ゼノハルトがモーゼルとマイネスの繋がりを知っているのは、ほかでもないアルトリシアから話を聞いているからだ。逆に言えばそれ以外に事件での関連を示す証拠がない。事件以来領地にいなかった時点で充分すぎるほど怪しいが、それもあれこれと理由をつけてごまかされている。

「あまり、お前に頼みたくはないのだが」

 ゼノハルトは重苦しい息を吐いて、不安げな娘を瞳に捉える。

「裁判で事件の際に知ったことを話してはくれないか」

 アルトリシアの手から握っていたナイフが落ちる。それを、控えていた使用人がそっと拾い上げた。

「私じゃないと話せない……?」

「……ああ」