そう言われてもいまいちどういう人物なのか理解できない。本来、八歳にもなれば国の地理や歴史も学んでいるはずだが、アルトリシアは環境のせいでほとんど知識がなかった。
「なんでも、燃えるような赤い鳥がお嬢様のもとまでゼノハルト様を導いたのだとか」
ルブだ、と考えてアルトリシアは少し頬を緩めた。彼は倒れた彼女のために、わざわざ獣の姿を晒して人を呼んできてくれたのだ。
「え、と……ゼノハルトさん、はどこにいますか」
家族以外と話した経験が少ないせいで、たどたどしい聞き方になってしまう。サフィたちに対してはこうではなかったのに、とアルトリシアは情けない気持ちになった。
「なんでも、燃えるような赤い鳥がお嬢様のもとまでゼノハルト様を導いたのだとか」
ルブだ、と考えてアルトリシアは少し頬を緩めた。彼は倒れた彼女のために、わざわざ獣の姿を晒して人を呼んできてくれたのだ。
「え、と……ゼノハルトさん、はどこにいますか」
家族以外と話した経験が少ないせいで、たどたどしい聞き方になってしまう。サフィたちに対してはこうではなかったのに、とアルトリシアは情けない気持ちになった。

