魔法の影響下から抜け出したルブは兄を呼び、そして様子のおかしさからゼノハルトに助けを求めた。彼もまたアルトリシアのもとに行きたがったが、ファイスに情報を伝える者が必要だとその場に残され、自身の役目を果たしている。

 事件が終わってからは、サフィの連絡を受けてティトの面倒を見ていた。主に人間と獣の姿を自身の望むときに変えられるよう指導しているようだ。

 ゼノハルトにはその理由がわかるような気がしている。今回の事件はティトの誘拐にアルトリシアが巻き込まれる形だった。彼女が再び傷つかずに済むよう、ティト自身を鍛えるべきだと考えたのだろう。