虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 やがて屋敷の外に出ると、ちょうど乗りこもうとしていたゼノハルトと鉢合わせた。

「アルトリシア!」

 この国の王子よりもまず先に娘の名を呼び、すぐに駆け寄る。サフィはゼノハルトが彼女を抱き締めやすいように軽く屈んだ。

「パパ……」

 か細い声を震わせ、アルトリシアはゼノハルトの腕に包み込まれる。

「よかった。本当に」

 彼は無事でよかったとは言わなかった。娘に覚えのない無数の傷があるのは見ればわかったし、なにより本人がぐったりしていたからだ。

「助けに来てくれて、ありがとう」

 アルトリシアはただそれだけを伝え、目を閉じる。