虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 散々顔を埋めてきた毛並みを感じ、アルトリシアはほっと息を吐いた。青銀の毛はところどころ汚れ、赤黒くなった場所は固まっていたが、大好きなもふもふであることに変わりはない。

「もう邪魔する奴はいねェし、のんびり行こうな」

 本当にのんびりしていいのかはともかく、サフィに向かってアルトリシアはこくりと頷いた。



***



 サフィはアルトリシアの傷が痛まないよう、本当にゆっくりと外へ向かった。

 牢獄を抜けると、そこはごく普通の屋敷の廊下に繋がっている。ただし人の姿はなく、代わりになすりつけたような血の跡がべったりとついていた。