虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 これまで耳にしていたものと同じ声がすぐ側でしたかと思うと、勢いよく牢獄と外を繋ぐ扉が開いた。否、扉が吹き飛んだ。

 びくりと反応したアルトリシアがティトを抱く腕に力を込めると、彼らが囚われた牢獄の前で一匹の獣が立ち止まる。

「よう、ちび」

 狼のうなり声に絡んでいるのは、サフィの声だ。しかしいつもよりも濁って雑音が混ざっている。

 それだけでなく、彼の青銀の身体は赤黒い液体でひどく汚れていた。

「迎えに来たぜ」

「サ、フィ……」

 彼のもとへ向かおうとしたアルトリシアは、足を縛る鎖の長さが足りずに転んでしまった。