虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 久方振りの虐待は、八年の間に刻まれた心の傷を抉った。

「きゅう、きゅうん」

 ティトがアルトリシアの様子に気づいたように頬を舐める。

「……ありがと。絶対ここから逃げ出そうね」

 心強い家族はいないが、少なくともひとりではない。それがアルトリシアに勇気をくれた。

(ティトも指輪の姿になれたら、穴から逃げられるかもしれないのに……)

 どうしようかと思っていたときだった。

 遠くから身も凍るようなすさまじい絶叫が鳴り響く。

「な、なに……」

 ひとりと一匹は限界まで擦り寄った。