数多くの戦場を経験し、魔獣による被害も見てきたゼノハルトが初めて戦慄するほどの光景だった。犠牲となった人間の数は、十や二十ではきかないように思える。断定できないのは形を保った屍がほとんどないせいだ。
「……アルトリシア」
これまで感じたことのない焦燥感を覚え、ゼノハルトは奥へと続く扉に向かおうとした。
その前に燃えるような真紅の鳥が窓を突き破って飛び込んでくる。
「ゼノハルト!」
鳥の鳴き声に混ざったその声を、彼は知っていた。
「ルブか?」
「東の道を行った先にある屋敷! 灰色の屋根で、金の獅子が飾られてる! アルトリシアとティトはそこだ!」
「……アルトリシア」
これまで感じたことのない焦燥感を覚え、ゼノハルトは奥へと続く扉に向かおうとした。
その前に燃えるような真紅の鳥が窓を突き破って飛び込んでくる。
「ゼノハルト!」
鳥の鳴き声に混ざったその声を、彼は知っていた。
「ルブか?」
「東の道を行った先にある屋敷! 灰色の屋根で、金の獅子が飾られてる! アルトリシアとティトはそこだ!」

