「言うことを聞くまで反省しろ。次に来るときにまで態度が変わらないようなら、魔獣の餌にしてやるからな」

 マイネスは吐き捨てると、再び牢獄を出た。

「まったく、こんな真似をさせるためにここへ連れてきてやったわけではないのだぞ」

「いえいえ、これでこの子もおとなしくなるでしょう。まったく、本当に聞き分けのない子で……」

 用はアルトリシアにだけあったのか、ふたりの声が遠ざかっていく。

「きゅう……」

 混濁する意識を必死に繋ぎ止めようとするアルトリシアの頬を、身体を引きずるようにして近づいたティトが弱々しく舐めた。普段ならくすぐったいと笑えただろうに、今は全身が痛むばかりだ。