虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 ゼノハルトが呼び止める前に、サフィはもう空を駆けていた。

「あの魔獣はいったい……」

 得体の知れない狼を前にした兵士に向かって、ファイスが厳しく告げる。

「君はなにも見ていない。……いいね?」

 兵士は狼狽しながらも主君の命令に頷いた。

「ゼン、もしかしたら子どもたちになにかあったのかもしれない」

「……この場を鎮圧し次第すぐに戻る」

「ありがとう」

 本当はすぐにでも娘の無事を確かめに行きたい。だが、彼は目の前の状況を放置できなかった。今も助けを求める人々の悲鳴が辺りに満ちている。

 なにが起きているのかという疑問の答えはいつ得られるのだろう。