虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 理解を超えた状況に絶句するゼノハルトのもとに、先ほど助けた少年が近づく。

「君……さっき、お守りを売ってくれた子だよな」

 彼の手にはアルトリシアの作ったお守りがあった。乳白色の魔石がはめ込まれたものだ。

「これのおかげで怪我が治ったんだ。だから……ありがとう」

「え……?」

 泣いていたアルトリシアが顔を上げる。

 商品として販売したそのお守りは『治癒』の効果を持っている。小さな傷や疲れを癒やすものだが、たしかに彼の手は火事の中にいたにしてはきれいだった。

 そこにもうひとり近づく。若い女性だ。