虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 突き抜けた衝動がアルトリシアから抜け出て放たれ、突如として激しい雨が降り注いだ。豪雨と言っても差し支えない雨はあっという間に店を燃やす炎の勢いを弱めていく。びしょ濡れになった彼女をサフィが守るように自分の腕の中へ抱き込んだ。

 ふたりの目の前でだんだんと炎が消え、やがてなにもなかったかのように失せる。

 あとには崩れかけた店と、呆然とする人々の姿が残った。

「やっぱお前は特別なんだな」

 サフィの小さなつぶやきが落ちると同時に、近くにいた男が天を仰いで言った。

「……こんな魔法が存在するものなのか?」