そこに声がした。
「こんなところでなにをしてるのよ、出来損ない」
アルトリシアの肩が大きく跳ね、急に周囲の音が聞こえなくなる。鼓動が一瞬で速度を増し、呼吸の仕方を忘れそうになった。
彼女をきつく睨んでいるのは、双子の妹のメルニエラだ。同じときに生まれたにもかかわらず、向かい合うふたりの顔は似ていない。
「わ、私は、その」
幸せな生活が過去の恐ろしいすべてを塗り替えてくれたと思っていたのに、妹を前にしただけで声が出てこなくなる。
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