虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 判断は任せるとでも言いたげな眼差しを受け、アルトリシアはサフィの手を引いた。

「一緒に行こ」

「はいよ」

 走り出した彼女をサフィが追いかけた。



 アルトリシアたちが現場に辿り着くと、そこは阿鼻叫喚だった。

 火事だという話だが、規模が想像していたよりもずっと大きい。大通りの区画の中でも特に大きな店が炎上したようで、周囲の店にも被害が及んでいた。

 あちこちで悲鳴が響いている。ゼノハルトとルブの姿はない。

(こんな火事、どうしたらいいの? 魔法使いも騎士団の人もいないのに……)

 サフィとともに来たところでなにができるわけでもなく、自身の無力さを痛感して手を握り締める。