それを聞いた瞬間、驚いて跳ねた身体がひっくり返って落ちそうになる。しかしそうなる前に彼の腕がしっかりとアルトリシアの身体を支えた。
「人間じゃないの? じゃあ、なに……?」
「石だよ、石。『生きた石』だ」
説明しているのかいないのか、いまいちはっきりしない。
「お前の周りにはいねェのか?」
「うん」
「じゃあ、わからねェのも仕方ないな」
普通はいるものなのだろうか。あまり子爵家から出た経験のない彼女にはわからない。
サフィが歩きながらする説明を、アルトリシアは自分の頭の中で必死に噛み砕きながら聞いた。
「人間じゃないの? じゃあ、なに……?」
「石だよ、石。『生きた石』だ」
説明しているのかいないのか、いまいちはっきりしない。
「お前の周りにはいねェのか?」
「うん」
「じゃあ、わからねェのも仕方ないな」
普通はいるものなのだろうか。あまり子爵家から出た経験のない彼女にはわからない。
サフィが歩きながらする説明を、アルトリシアは自分の頭の中で必死に噛み砕きながら聞いた。

