そんな話をする前に聞きたいことが山ほどあるのだが、アルトリシアは自分の疑問や意見を押し通せるような子どもではなかった。これまで散々押し込められて生きてきたせいだ。
「捨てられたの」
ぽつりと落ちた声はかわいそうなほど震えていたが、サフィは特に気にしていない様子だった。再び「そっか」とだけ答え、腕に彼女を乗せたまま歩き出す。
もう動けそうにない身体を運んでくれるのはありがたいが、彼がどこへ連れて行こうとしているのか、なぜ自分にかかわろうとするのかわからない。
そこでふとアルトリシアは大切なことを言っていないと気がついた。
「え、と……サフィ?」
「ん? どした」
「捨てられたの」
ぽつりと落ちた声はかわいそうなほど震えていたが、サフィは特に気にしていない様子だった。再び「そっか」とだけ答え、腕に彼女を乗せたまま歩き出す。
もう動けそうにない身体を運んでくれるのはありがたいが、彼がどこへ連れて行こうとしているのか、なぜ自分にかかわろうとするのかわからない。
そこでふとアルトリシアは大切なことを言っていないと気がついた。
「え、と……サフィ?」
「ん? どした」

