虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「いやいや、こちらこそありがとうございました。ときにお客さん、今日はいつまで街にいるおつもりで?」

 話を向けられたのは子どものアルトリシアではなく、サフィの方だ。

「陽が暮れる前には帰るつもりだが、なんかあるのか?」

「それがね、最近夜が物騒で。街を魔獣が闊歩して回ってる、なんて話があるんですよ」

「……へェ?」

 魔獣は彼も同じだ。人の姿をしているか、獣の姿をしているかの違いでしかない。

「どんな奴がうろついてるんだ?」

「さあ、そこまでは……。ただ、恐ろしい影を見たって人が何人もいるんですよ」

 それだけじゃない、と彼はさらに言う。