虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「そうだよな、自己紹介が先だよな」

 彼はそう言うと、目線を合わせるようにしゃがんだ。

「俺はサフィルスファルスフェルステンだ。硬度は九、核は蒼玉」

「さふぃ……?」

 舌を噛みそうになったアルトリシアに向けて、彼はくっと笑い声を漏らす。

「サフィでいい。お前は?」

「アルトリシア……。みんなはアルティって呼ぶよ」

「そっか。だったらちびって呼ぶ」

 サフィの発言は彼女をひどく困惑させた。まさかそう返されるとは思わない。

 会話ができたからか少し落ち着いた彼女を、彼は軽々と抱き上げる。そして自身の左腕を軽く折り曲げ、そこに座らせた。

「で、こんなとこでなにしてる?」