虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 これまで何度も返事を望んできたが、やはり今回も答えはない。

 あの日、ゼノハルトは燃えるような美しい鳥に導かれて廃鉱を訪れ、傷つき倒れたアルトリシアを拾った。

 小さな身体に無数の傷を負った彼女を哀れんだのはたしかだ。実の両親から受けた虐待を聞き、憤ったのも間違いない。

 それがいつ、幸せにしてやりたいという気持ちに変わったのか。

 この部屋に連れ込んだのがきっかけだと彼は思っている。

 ここは妻が使っていた部屋で、彼女を亡くしてからは誰も立ち入らなくなった場所だ。

 再び外の空気が流れ込み、笑い声と菓子の甘い香りが漂うようになる日を、おそらくゼノハルトはどこかで望んでいた。