虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 ゼノハルトが額に手を当てる。

「ほかに知るのは?」

「ティトの乳母だけだ。今は君と、君の娘が増えた」

 ファイスと目が合い、アルトリシアはぴんと背筋を伸ばした。

「わ、私も誰にも言いません」

「ありがとう。さすがゼンの娘だ。引き取ると聞いたときは驚いたけどね」

 そのとき、眠そうだったティトが転げるようにファイスの膝から降りた。目を擦りながらアルトリシアの側に来ると、音もなく子犬の姿に変わって腕に収まる。

(もふもふ……)

 再び至高の毛並みにうっとりするアルトリシアだが、ゼノハルトは厳しい表情を崩さない。

「無礼を承知で聞く。……害はないのか」