虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

「ありがとう。助かるよ」

 ファイスがうつむいたままの少年に視線を落とす。

「まずはこの子を紹介しよう。ティト・ノルタ・レキオ……私のひとり息子だ。五歳になる」

「病弱だと聞いていたが……あれは嘘か」

「そうだね」

 ティトくん、とアルトリシアは自分の頭の中で彼の名前を反芻する。

 身長はアルトリシアとあまり変わらない。茶色に近い金髪は頭の形に沿って丸く整えられており、どことなくあの子犬を思わせる。

 不安げに揺れる瞳の色は透き通った黄玉。彼について紹介するファイスは濃い茶の瞳だが、親子というだけあってふたりはよく似ていた。