虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

 どう説明するべきかアルトリシアが悩んでいたとき、ゼノハルトが息を呑んだのを感じた。

「ファイス、その子は……」

 視線の先には、見知らぬ男の腕の中で少年の姿に戻った子犬がいる。子犬だったときと同じように男の腕に顔を擦りつけ、すんすんと鼻を鳴らしていた。

 男はゼノハルトたちの視線に気づくと、難しい顔をしてから首を横に振る。

「また部屋に戻らなければならないようだな。説明はそこでしよう」

「……わかった」

 ファイスと呼ばれた男は少年を抱きながら先んじて歩き出す。

 アルトリシアもゼノハルトの手を握り、落ち着かない気持ちになりながらそのあとを追いかけた。