スズナちゃんの方に傘の配分を広めにすると、あたしの肩が濡れた。
寒い…。
スズナちゃんが気がついて慌ててあたしの方に傘を戻す。
あたしは戻し返した。
そんな攻防を続けて、ようやく駅に到着。
まじで寒い…。
「くるみちゃん、本当にありがとね!」
「ううん! 本当に気にしないで? スズナちゃんの役に立てて嬉しい!」
そんなことを言って、スズナちゃん達とは反対方向の電車なので別れた。
反対のホームに行くと、女の子たちがチラチラとどこかを見て何か噂をしてる。
その視線の先には…奏!
会えると思わなかった!
あたしは嬉しくなって小走りで奏に近づいた。
「奏!」
あたしの声に、奏が振り向く。
駆け寄りながら奏の腕に触れようと思った瞬間、足がつるっと滑った。
うわっ、転ぶ…。
と思ったら、「っと…」と奏があたしの腕を掴んで止めた。
セーフ…。
周りからパラパラと拍手が聞こえる…。
「危ねえな」
奏が言うけど、あたしは気にせず奏の両手を掴んで「へへっ」と笑った。
奏があたしの頭を軽く撫でる。
そして、あたしの肩に目をやった。
「濡れてる」
「ん? あ…そうなの。相合い傘してたんだ」
電車の駅なんて絶対に周りに会話を聞かれてるので、若干猫を被って答える。
奏がハンカチであたしの肩とスカートの濡れたところを拭きながら、「相合い傘?」と少し表情を変えた。
男の可能性考えてる?
「うん、そうだよ?」
面白いから猫かぶりついでに天然装って奏の変化に気づいてないっぽく答えとこ!
「誰と?」
「クラスの人だよ」
「女?」
なんかイライラしてるっぽい!
あたしが奏以外の男と相合い傘するわけないってちょっと考えたら分かるはずなのに!
寒い…。
スズナちゃんが気がついて慌ててあたしの方に傘を戻す。
あたしは戻し返した。
そんな攻防を続けて、ようやく駅に到着。
まじで寒い…。
「くるみちゃん、本当にありがとね!」
「ううん! 本当に気にしないで? スズナちゃんの役に立てて嬉しい!」
そんなことを言って、スズナちゃん達とは反対方向の電車なので別れた。
反対のホームに行くと、女の子たちがチラチラとどこかを見て何か噂をしてる。
その視線の先には…奏!
会えると思わなかった!
あたしは嬉しくなって小走りで奏に近づいた。
「奏!」
あたしの声に、奏が振り向く。
駆け寄りながら奏の腕に触れようと思った瞬間、足がつるっと滑った。
うわっ、転ぶ…。
と思ったら、「っと…」と奏があたしの腕を掴んで止めた。
セーフ…。
周りからパラパラと拍手が聞こえる…。
「危ねえな」
奏が言うけど、あたしは気にせず奏の両手を掴んで「へへっ」と笑った。
奏があたしの頭を軽く撫でる。
そして、あたしの肩に目をやった。
「濡れてる」
「ん? あ…そうなの。相合い傘してたんだ」
電車の駅なんて絶対に周りに会話を聞かれてるので、若干猫を被って答える。
奏がハンカチであたしの肩とスカートの濡れたところを拭きながら、「相合い傘?」と少し表情を変えた。
男の可能性考えてる?
「うん、そうだよ?」
面白いから猫かぶりついでに天然装って奏の変化に気づいてないっぽく答えとこ!
「誰と?」
「クラスの人だよ」
「女?」
なんかイライラしてるっぽい!
あたしが奏以外の男と相合い傘するわけないってちょっと考えたら分かるはずなのに!



