「は?」

「セイウチ。ショーの人気者なところがそっくりでしょ?」

「おい、ふざけんなよ」

「いいじゃん、セイウチ可愛いよ」



あたしは声をあげて笑った。



仕返しだもんねー。



「ショーあと20分後にやるって。神城のそっくりさんがパフォーマンスしてるとこ見に行こー!」

「おい…」



神城の腕をつかんで先に進んだ。



なんかちょっと楽しいかも…。



ショーの会場はすごい人。



前の方に2席分空いていたので、そこに2人で座った。



「楽しみだね、セイウチ」

「…」



黙ってあたしの頭にチョップされた。



セイウチ楽しみって言っただけじゃん…。



ショーが始まった。



笑顔のお姉さんとお兄さんが出てくる。



最初は可愛いイルカのショー。



あたしはハリセンボンよりもイルカじゃない?



可愛いしみんなの人気者だし…。



お客さん喜ばせるために芸をしてるとことかも…。



あ、なんか落ち込んできた…。



神城に言ってみたら、「自意識過剰」と言われた。



はあ!?



ムカつく…。



ムカついたおかげで落ち込みは消えたけど。



そしてセイウチの登場。



「セイウチだよー!」



神城の肩をバシバシと叩いた。



うっとうしそうにされるけど無視!



セイウチは、アシカと一緒に出てきたけどアシカに比べて大分でかい。



アシカはシンプルに可愛いけどな~。



でもセイウチもなんか愛らしい感じだ。



抱きしめたくなる感じ?