少したって俺の前に置かれたのは、ホカホカの大きなおにぎり2つとたくわん。

味噌汁と卵焼きがついていた。

卵焼きは、俺の知ってるのと少し違って。玉子と海苔が一緒に巻かれていた。

『ごゆっくりどうぞ』

『いただきますっ』

そう言って、一口おにぎりを食べて。
二口、三口。

その温かくて優しい味に、自然と涙が溢れてたまらなくて。

卵焼きとおにぎりを交互に頬張りながら、まあ悲惨な姿だったと思う。

剛さんはそんな俺を見ても質問攻めにしたりせずに、俺の方へ来て、優しく肩を掴んでから、

『我慢、しなくていいよ』

『おにぎり、おかわりあるからね。特別にサービスするから』

そう言ってくれたんだ。

美乃里ちゃんにこの話をするのは、もう少し先。