「さゆちゃん、萌ちゃん、」
「ずっと帰ってこないから心配してたんだよ?美乃里ひとりにしたうちらも悪いけど。トイレもついていくんだった」
とクラスTシャツを着たふたりが私に駆け寄る。
どっからどう説明しようかと悩んでいると、
「ごめん。美乃里ちゃんのこと勝手に連れ回したの俺だから」
水牧くんが私を庇うようにして一歩前に出た。
『勝手に』なんて全然違うのに。
「ええええ?!?かか、果歩くん?!?!ふぇ?!ちょ、ふたりで回ってたの?!」
「ごめん……」
とさらに眉毛を下げて言う水牧くんに、萌ちゃんたちがさらに慌てだす。
「や!ううん!美乃里がひとりじゃなかったのなら全然!うん!大丈夫!むしろ果歩くんとのツーショットがアズコン以外で見れるとか!!眼福!!感謝!!」
眼福って……また変なこと言ってるよ萌ちゃん。



