『え、てか、マホミって果歩くんと……』

『……うん』

『わっ。だよね!やっぱこの間のカラオケ抜け出したとき?えーーいいなー!』

『ちょっと、声でかいって!まぁでも、果歩くんは誘われたら基本断らないしさー。レイナも声かけて見たら?』

生々しいやり取りに耳を塞ぎたくなりながらも、同時に無性にムカついて。

彼が学年一プレイボーイなことはわかりきっていたことだし、

水牧くんが誰と何をしようが彼の勝手なのに。

どうして今更ショックをうけるのか。

もともと水牧果歩ってそういう人だったはず。

人目もはばからず、堂々と外で女の子とキスできるような。

きっと、パパや双子と一緒にいるときの猫かぶりな水牧くんに慣れちゃったせい。

あれが本性ならいいのにって望んでたんだ、私。本性の彼はこっちだよ。

だから……。