「誰?」

「一条柚葉ちゃん。東京から来た転校生だよ、先週先生が言ってたじゃん」

「あー……さ、母さんが言ってた美里さんのとこの」

「そうだよ多分」


 植木くんは頭をガシガシと掻くと「璃空です」とぶっきらぼうに言った。


「ごめんね、柚ちゃん……璃空寝起きだとちゃんとしないから」

「いや、いいんだけど」


 きっと仲良くはならないと思うし。それに苦手なタイプ。もう関わることなんてないと思っていた─︎─︎……なのに何故。